2012年4月28日土曜日

学歴ってどのくらい大事?

近年アメリカのビジネススクールはどこでも似たような状況ですが、
雇用情勢が厳しい中、今年も就職には苦労している人が多いようです。
大学の公式な情報によるとサマーインターンを獲得した人はまだ50%程度。
そもそもインターンをしない人もおり(派遣とか起業家とか)、
また、学校に報告していない学生もいるので見た目ほど深刻な数字ではないですが、
実際まだ面接を受け続けている人も多く、大変な状況に変わりはありません。

今回このポストをしたのは、
就職活動継続中の友人たちが「Chicagoにやられた」(Boothのことね)とか、
「面接会場にいた他の学生はみんなHBSやWhartonだったから今回は駄目だ」とか
よく言っているので、ふとブログに書いてみようかなと思ったのがきっかけです。
(個人的にもこの話題には思うところがある。)

 誤解している日本人は多いのですが、アメリカという国は超学歴社会です。
ポジションや初任給は学歴で決まるし、
一定のランク以上の大学ではないと応募を受け付けないと明言している企業もあります。
日本企業がこれをやると世間からかなり批判されると思いますが
(先日もどこかの企業が大学別説明会をやると言っただけで問題になってましたね)
アメリカでは(というか世界的には)こんなの当り前です。
日本は学歴主義だと批判する日本人は多いのですが、
日本ほど学歴に寛容な社会は逆に少ないんじゃないかと思ってます。

んで、個人的な意見を先に言うと学歴って大事です。
まず、印象がよくなる。みんな内面が大事と言いつつ、大半の人間は
学歴とか勤務先とかルックスとかパッと見で分かるもので最初の評価を下します。
これがいいのか悪いのかは別として、このような傾向がある以上
(そしてこの傾向はこの先も無くならないと思う)
学歴というものは持っていて得することはあれど損することはありません。

ただ、それ以上に大事なのは、学歴と仕事の出来の間には確実に相関関係があるということ。
よく聞くのは「勉強ができるからと言って仕事ができるとは限らない」という決まり文句。
もちろんこれは正。
でも大事なのは「勉強できる人は仕事もできる”確率が高い”」ということ。

ちなみに、「勉強ができる」→「仕事ができる」という論理は成り立ちません。
実際は、
①「要領がいい、飲み込みが早い、努力家、真面目」→「勉強ができる」
②「要領がいい、飲み込みが早い、努力家、真面目」→「仕事ができる」
という論理が成り立つので2つの間には相関関係があるわけです。
(他にも要素はあるかと思いますが)

なので、学歴というものは、他のあいまいで恣意的な基準よりも
よっぽど正確に仕事ができるかどうかを示すIndicatorになるわけです。
「勉強と仕事は関係ない」と言っている人は、
①本当はそう思っていないけど、こう言わないと批判されるからこう言っている
②物事を相対的に捉えられず絶対的に考えている(確率で考えられない)
③単なる言い訳
のどれかだと思います。

いずれにせよ、特に今後グローバルで戦おうと思っているのであれば、
学歴主義からは絶対に逃げられないということは肝に銘じておくべきです。

ただ、学歴を覆すことができないかというとそんなことはありません。
繰り返し言っているように、学歴と仕事の相関はあくまで確率の話なので、
多くの人は例外が死ぬほどあることを理解してます。

自分でいうのも何ですが、今の職業に関しては僕も学歴の無さをリカバーした部類に入ります。
というのも今の職場(派遣元)の中で、僕の出身大学は最低ランクに入ります。
河合塾の偏差値表とかを見ると、僕より低い大学から来ている人はほとんどいません。
普段の仕事ではこれが原因で差別されることはありませんが、出世となると話は別です。
まあこれについては高校時代自分がサボった代償だと思っているので、
自分的にはもう割り切ってしまってますが。
なので、詳しく書くつもりはないですが、いろいろとリカバーする方法もあるわけで、
学歴だけに捕らわれてしまうのもまた非常に愚かなことです。
特に日本は学歴に寛容なので、日本で働く場合にはなおさらです。

というわけで、日本にいると僕もこんなこと自分からは言い出さないんですが、
周りの雰囲気におされてちょっと持論を展開してみました。

最後に、こっちに来ると分かりますが、
みんな学歴とか成績とか本当に滅茶苦茶気にしてます。
「○○のコース、あと0.5ポイント点が高かったらAマイナスだった」とか
「今年はN大学がランキングでAndersonを抜いたからNに行っておけばよかった」とか
国籍関係なく結構当たり前のように話しているので、
これが世界の標準なんだなーというのを実感してます。

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2 件のコメント:

  1. とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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  2. コメントありがとうございます。この話題はいろいろな考え方があると思いますが、良かれ悪かれ、何か思うところがあったなら僕としてもうれしいです。

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