2012年9月29日土曜日

社費 vs 私費

Andersonは昨日から秋学期がスタートしました。
今期は5コマの履修ですが、シラバスによるとそのうちの1つが冗談みたいに重いので、
ワークロードとしては6コマ受けていた今までと同じくらいかなと思ってます。
受給している奨学金は良い成績を維持しないと停止されてしまうので
とりあえずの目標としては今期もオールAマイナスくらいを死守という感じです。

さて、Class of 2015の出願シーズンが近づいて来たこともあり、
最近段々とキャンパスビジットされる方が増えてきました。
(大体年間40から50人くらい対応してます)
そこで必ずと言っていいほど聞かれる質問が
「社費の方が有利というのは本当ですか?」という質問。

僕自身出願審査官になったことは無いので正確には「分からない」です。
自分が出願していたときとかにアドミッションに質問したこともありますが、
一応の答えとしては「全く関係無い」そうです。
ただ、こちらに来て1年間、多くの出願者を見ていて1つ分かったことがあるので
これからの出願者のご参考までに書いておきます。

結論を言うと、アプリカントの合格率についてはハッキリと「社費>私費」です。
ビジット対応した方の結果を聞いたり、
エッセイカウンセラーにクライアントの状況を聞いたりしていると
客観的に見ても社費の方が合格率が高いです。

で、これは何故か?よく噂で流れるのは
「社費は社内選考を通過しているのでアドミッションが下駄をはかせる」とか、
「社費は就職活動の面倒を見なくていいから、ランキングに悪影響が出ない」とか。

前者については若干その影響があるとは思います。
実際、アプリケーションの中でフルブライトなどの奨学金受給状況などを申告しますが、
大抵は資格とかGPAとかと同じカテゴリーの中に入っているので、
出願者の客観的な実績を評価する材料にしているんだと思います。

後者についてはウソでしょう。
そもそもネイティブも留学生も98%くらいは私費学生なわけで、
それが100%私費学生になったとしても大学側の負担は変わりません。
私費学生の就職先が社費学生と比べて遜色ないのは過去の実績から明らか。
さらに、留学生についても卒業後の給料は2倍以上になる人もいれば
1.2~1.3倍止まりの人もいてネイティブと状況は同じです。
そして各種ランキングに使われる指標の計算からは社費学生は除外されます。
すなわち、ランキングや大学の負担といった観点からは
私費と社費は差別要因になり得ないわけです。

では何故合格率に差が出るのか?
それはアプリカントのプールの質が違うというのが僕の実感です。
社費のアプリカントについては、
そもそも未だにMBA留学制度が残っているような一流企業に総合職として入社して
さらに数多くいる同期の中から、MBA派遣生として選ばれているわけです。
もちろんMBA留学を希望しないトップクラスの社員も多いわけですが、
一方で実績や能力が認められていない人は内部選考を通過しません。

他方、私費のアプリカントですが、
こちらも半分くらいの人は業界トップティアの企業出身で実績もすごい。
今後のキャリアプランやキャリアゴールについてもよく考えていて、
MBAに対する目的意識もはっきりしてます。
方や(言い方は悪いですが)残り半分くらいの人は
ちょっとMBAを勘違いしてるんじゃないか?という感じを受けます。
こちらからいろいろ質問しても漠然とした答えしか返ってこないし、
あんまり的を得た会話ができない人が結構います。
「なんとなく今仕事が上手くいってなくて、MBAでも取れば人生変わるんじゃないか」
みたいな感じの人もいます(まあ、同じような人が社費の中にも若干はいますが)。

結局このアプリカントプールの差が合格率の差になってるんだと思います。
要は結果として差がついているだけであって、
その原因が社費か私費かにあるわけではないということです。

なので、私費の人が出願にあたって私費であることを気にする必要は全くないでしょう。
(もちろん、上記の私費の前者に入っている場合ということですが)
裏づけとして、私費の人でも受かる人はトップスクールに3つも4つも合格しますよね。
というか所詮ビジネス・スクールもブランド好きなので、
本気でHSW以外は行きたくないとかであれば、社費のある伝統的な日本企業よりも
外資コンサルとか外資IBとかから私費で行くほうが受かりやすいんじゃないでしょうか。

あくまで個人的な実感なので、真実は違うかもしれないけど、
今後の自分の意見のベースにもなりそうなのでとりあえず記録しておきます。


応援のクリックをお願いします!

0 件のコメント:

コメントを投稿